資格別コール [JF1MIA]

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1974年JARLのアマチュア無線制度研究委員会から資格別コールの答申が出てCQ誌にも掲載されました。
昭和49年(1974年)の1アマ、2アマの増加率は前後の年と比べて高い値ですが、この答申の効果だと思います。

 1アマ2アマ
  増加率 増加率
昭和48年3,99811.7%17,19613.0%
昭和49年4,76319.1%20,11217.0%
昭和50年5,35612.5%22,27910.8%

結局、廃案になり昭和50年から通常に戻っています。

JARLアマチュア無線制度研究委員会の答申 (CQ誌1974 年2月号 382〜383ページ)

JARLのアマチュア無線制度研究委員会(委員長 関根慶太郎)では、理事会から諮問のあったアマチュア無線制度について、次のような答申をしました。これは昭和47年11月16日に第一次答申として出されたものの具体案を示したものです。
なお、JARLでは、この答申の内容は会員をはじめ全アマチュア局に関係するものなので、皆さんの意見を聞きながら理事会で審議したいといっており、これについてのご意見を文書で昭和49年2月末日までに専務理事あてに提出してほしいそうです。


日本アマチュア無線連盟
会長 原昌三殿
アマチュア無線制度研究委員会
委員長 関根慶太郎

理事会から諮問のありましたアマチュア無線制度の調査研究の結果につきましては、去る昭和47年11月16日付けで別添のように、アマチュア局免許人の無線従事者の資格が、その局に指定されているコールサインから識別できることが、現在のアマチュア無線界の現状を打開する方法である旨を答申しました。
この結果、第145回理事会において答申の内容について審議が行われ、答申の趣旨は了解したが、細部については不明であり、また諸外国の状況等もあわせて、さらに検討されたい旨の要望がありました。このため。本委員会においては、その後これらの点について審議を進めてまいりましたが、この程アマチュア局へ免許人の無線従事者資格別によるコールサインの分類方法および移行措置等の具体案がまとまりましたので、下記のとおり答申します。

―記―

(1)コールサインの変更を必要とする対象局は、免許人が第1級アマチュア無線技士の資格を有するアマチュア局(以下1級局という)、および第2級アマチュア無線技士の資格を有する局(以下2級局という)ならびに空中線電力10Wをこえる指定を受けている社団のアマチュア局(以下クラブ局という)とする。

(2)1級局および2級局は、全局(3)に述べる新方式によるコールサインが指定されることになり(5)に述べる移行期間以後は例外的なコールサイン、たとえば、1級局が電話級局(免許人が電話級アマチュア無線技士の資格を有するアマチュア局をいう。以下同じ)のコールサインで運用する、またその逆、ということは生じない。
このことは、本委員会の第一次答申の主旨であるところの「コールサインによるその局の無線従事者資格の識別」を明確にするものである。
したがって、もし一局でも、例外的なコールサインを指定された局があれば、コールサインを受信した状態ではその局の免許人の従事者資格を識別することは不可能となり、結局現在の混乱状態へ逆もどりする恐れがある。

(3)新方式によるコールサインの分類方法

(a)1級局のコールサインプリフィックスのいかんにかかわらず、数字の次の文字が2文字のコールサイン(以下2文字コールサインという)とする。

(b)2級局のコールサインプリフィックスを現在指定されていない、たとえばJB1, JC1などの新しいものにして、数字の次の文字が3文字のコールサイン(以下3文字コールサインという)とする。
ただし、数字の次の文字が、YAA〜ZZZのものは(d)に述べるクラブ局のコールサインとする。

(c)電信級または電話級局のコールサインは現行どおりのコールサインとする。

(d)クラブ局のコールサイン
空中線電力10Wをこえる指定を受けている局は、2級局と同じプリフィックスとし、数字の次の3文字がYAA〜ZZZのコールサインとする。
なお空中線電力が10W以下の局のコールサインは、現行どおりとする。
これにともない、クラブ局の運用に際しては運用者の氏名の代わりに「無線従事者免許証の番号」を通報の冒頭においてコールサインとともに送出することを義務付ける。
以上のような方法によるコールサインの指定が行われれば、2文字コールサインの局は、1級局、また、たとえばJBのプリフィックスの3文字のコールサインの局は、2級局、その他はすべて電信級または、電話級局となり、コールサインからその局の免許人の無線従事者の資格を容易に識別することができる。
また、クラブ局の場合は、YAA〜ZZZのコールサインのうち、2級局と同じプリフィックスのものは10Wをこえる局となる。

(4)現在2文字コールサインの指定を受けている局の新方式によるコールサインの移行措置
現在2文字コールサインの指定を受けている1級局に該当する局のコールサインは、現在のままとする。しかし、2級および電信級または電話級局に該当する局のコールサインは新方式によるコールサインを指定する。
この場合、空きコールサインは、将来その局が1級局になって申請があるまで保留し、他の免許人の局には指定しない。

(5)新方式によるコールサインの移行方法

(a)(3)による新方式のコールサインの指定を受ける条件を備えており、かつ、コールサインの指定変更を希望する局は、公布の日から1年の期間内に指定事項(コールサイン)の変更手続きを行う。この期間内に手続きを行った局は、コールサインのアルファベット順に整理し、新方式のコールサインを順次指定する。

(b)上記の期間内に指定事項変更の手続きを行わなかった局については、その局の再免許の申請を行ったときに、自動的に新方式のコールサインを指定する。

(c)公布の日から1年を経過した日以後において、免許人が上級の無線従事者資格を取得した場合、またはクラブ局が空中線電力10Wをこえる指定を受けた場合は、局の指定事項変更の手続きを行うものとする。この手続きを行わなかった局については、その局の再免許の申請を行ったときに、自動的に新方式のコールサインを指定するものとする。

(6)使用されないコールサインの取り扱について   
再免許申請がないために保留され使用されてない空きコールサインは、次の基準にもとづいて、再使用することとする。

(a)局の免許の有効期日から1年以上経過してもその局の免許人から開局申請がない場合は、他の申請者の局に指定することができる。

(b)新方式によるコールサインへの移行にともなう空きコールサインは、(4)で保留されたものを除いて、5年以上経過した日から他の申請者の局に指定するものとする。

(7)その他

(a)JARLは、世界各国の連盟に対して、新方式のコールサインを説明する公文書を、随時発送する。

(b)コールサインの変更にともなうQSLカードは、適宜、新コールサインを追加記入すれば、交信証としての有効性は全く失なわれないのが現在の通念である。

(c)本年3月末日におけるアマチュア無線技士の資格を有する者は、第1級アマチュア無線技士が約3,500人、第2級アマチュア無線技士が約15,000人であり、開局率を約50%と見積もれば、1級局が約1,800局、2級局が約8,000局と推定されるので、本答申による新方式のコールサインの指定は十分可能である。

(d)わが国は、現在1km2あたりに存在するアマチュア局数が0.62局で、これは英国の0.083局、西独の0.074局、米国の0.036局に比べて桁違いに多いので、諸外国のコールサインのシステムにならうこと はむしろ不適当であるといえる。

(付記)

以上は、本委員会においてえられた最終的結論について述べたものです。
本委員会においては、本答申以外の問題についても非常に多くの提案が議題とされたが、数年にわたる委員各位の熱心な討論と考察が行われた。
その結果、委員各自の個人にとっては不利益をもたらすものであっても、わが国アマチュア無線界の現状の混乱を解決すべく実行可能な第一歩という立場にたったとき、本答申がこれに対する最終的結論として同意を見るに到ったものであります。
また、各級アマチュア無線技士の操作範囲を変えるにしても、本答申のようなコールサインによる無線従事者資格の識別が大前提となります。
したがって、本答申を換骨奪胎した妥協案は、わが国のアマチュア無線の将来にとって、決して展望をもたらすものでないことを、本委員会は信じております。
理事会におかれましては、大乗的見地からご検討いただき、英断をもって本答申を実施されるよう本委員会の委員を代表して切にお願い申し上げます。

<別添>アマチュア無線制度についての答申(第一次)

理事会から諮問がありましたアマチュア無線制度について調査および検討を進めてまいりましたが、このほどその一部について結論が得られましたので、とりあえず下記の通り答申致します。
なお、アマチュア無線技士の資格制度等いろいろな問題についても討議中でありますので、これらにつきましても引継き審議をおこない、結論が得られ次第順次答申を致します。

―記―

現在のアマチュア無線界では、免許された空中線電力をはるかに越える、いわゆるオーバーパワー局はなかば公然と運用を行っており、また電話級または電信級の局が14MHzバンドで運用を行う等、電波法令違反局が多いため、わが国のみならず世界的規模において混乱をひき起こし、特にHF帯においては、近隣各国から強い抗議がなされております。
このような事態が今後とも続けば、わが国のアマチュア無線、ひいてはわが国に対する評価を国際的に低下させる重大な問題に発展する恐れがあり、事態はまことに憂慮すべきことに至っていることと思われます。
一方、わが国と同様、あるいはより多数の局数を有する諸外国の制度をみますと、米国においては昨年から無線従事者の資格によってバンド内が区分されるなど、かなり思いきった制限が実施されております。
また、西独においては、無線従事者の資格によってその操作範囲が識別できるコールサインの指定が実施されています。本委員会においては、これら各国における実情を念頭におき、わが国アマチュア無線界の現状を打開すべく、問題点の抽出とその解決策について討議を重ねた結果、アマチュア局のコールサインの構成が、すべての無線従事者の資格について共通であるため、電波を受信した状態では、その局の操作範囲が全く区別しえないことが混乱の最大の原因であると判断されました。
このため本委員会は、免許人の無線従事者の資格が区別できるようなコールサインを指定することが適当であるという結論を得ました。
このような方法をとれば、前述のような電波法令違反局の正常化に役立つと共に、電話・電信級から2級、2級から1級への上級資格取得の意欲にもつながり、このような意欲は、わが国アマチュア無線の健全な発展のために必要不可欠なものと考えられます。
電波法令違反運用による混乱は、もはや精神論では解決しえない段階に至っているものと思われます。
しかし、コールサインは、元来、それぞれ愛着のあるものですから、この変更に対しては、感情的な消極論も予想されますが、この点につきましては、より広い視野に立って、各局の御協力を期待しております。
以上、本委員会の第一次答申といたしますが、このような方法のみで現在の危機を完全に回避しうるものでないことは明らかですが、改革の第一歩を踏み出すことが急務であるものと確信致します。


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May 7, 2019, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL