ライセンスサーチでヒットしない局

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衛星管制局のコールサイン  [JH6RTO]

以下の2局について、もし御存知でしたら教えて下さい。

東大の衛星
XI-IXの衛星JQ1YCWは免許公開で見えますが、地上側JQ1YCXが見えません。
http://www.space.t.u-tokyo.ac.jp/nlab_gs/index_ja.htm

東工大の衛星
CUTEの衛星JQ1YCYは見えますが、地上側 (JQ1YCZと想像)は見えません。

JQ1YCXJQ1YCZは前後の判断でH15の免許と思われるので、積極的に廃局にしない限り、まだ免許期間中と思われるのに。


衛星管制局のコールサイン(続)  [JJ1WTL]

ちょっと調べました.

結論から言うと,「免許状記載事項を公表しない無線局」だからです(電波法施行規則11条2).

東大,東工大の管制局

お察しのとおりJQ1YCXJQ1YCZで,資料はいくつか Internet available です.
一例ですが

http://www1.bbiq.jp/ja6pl/pl3.htm#sat01



  東大の局は、衛星(JQ1YCW),管制局(JQ1YCX)、
  東工大の局は、衛星(JQ1YCY),管制局(JQ1YCZ)の呼出符号を付与されました。

――と記されています.

日大のSEEDS

また日大のSEEDSは,衛星がJQ1YGUを,管制局がJQ1YGVを,それぞれ与えられています.

北海道工業大のHIT-SAT

同様に,衛星HIT-SATがJR8YJTを,管制局がJR8YJSを,それぞれ与えられています.

JARLの管制局

JARLにも衛星管制局があります.
それ(JJ1ZUT)を紹介するWebページがあったのですが,2011年の組織改正で技術研究所がなくなったのにあわせ,消えています(http://www.jarl.or.jp/Japanese/7_Technical/giken/jj1zut.htm).

そこには書かれていなかったのですが,JJ1ZUUもあり,初期にはつくばに配置され,バックアップにあたりました.

この2局も,全局掲載の(JARL非会員局まで収録されている)90年版コールブックに収録されていません.
飛ばされています.
またライセンスサーチでもヒットしません.

JJ1ZUT(固定局)のほうは,技研の廃止――ビルの7階を返しました――に併せ廃局となりましたが,JJ1ZUU(移動局)のほうはまだ生きています〔参考:CQ誌2011年5月号pp.194-195『衛星通信情報』〕.

まとめ

まとめるとJAの衛星管制局は,以下のとおりとなります(早稲田大は不明):

  1. JJ1ZUT  (JARL 固定局→2011年廃局)
  2. JJ1ZUU  (JARL 移動局)
  3. JQ1YCX  (東大)
  4. JQ1YCZ  (東工大)
  5. JQ1YGV  (日大)
  6. JQ1YQW (ソラン)
  7. JQ1ZSU  (創価大)
  8. JQ1ZZZ (航空高専)
  9. JL3YUK (SOHLA(まいど1号用))
  10. JR5YBP (香川大)
  11. JR8YJS  (北工大)

これらの扱いは?

抄録を紐解くと,省令ではつぎのようなカテゴライズが見あたります:

人工衛星等のアマチュア局
 |-人工衛星に開設するアマチュア局
 +-人工衛星に開設するアマチュア局の無線設備を遠隔操作するアマチュア局

いかんせんたとえば,人工衛星では「見やすい箇所に免許状を掲げておく」こと などはできないわけで,アマチュア衛星時代に入った後で,実態に即して整備されました.

関連箇所の例は以下のとおりです:

電波法施行規則   第三十八条(備付けを要する業務書類)

無線局免許手続規則 第八条 (添付書類の写しの提出部数)
          第十五条(記載事項の省略)五項
          第十六条(再免許の申請)
          第十七条(申請の期間)
          別表第五号の四

以上のように,

  “人工衛星に開設するアマチュア局の無線設備を遠隔操作するアマチュア局”

というのが JJ1ZUT,JJ1ZUU,JQ1YCX,JQ1YCZ,JQ1YGV,JR8YJS,... の属するカテゴリであり, 一般のアマチュア局とは別扱いとなっているのです.

さらに,これらが無線局免許情報検索への掲載に至らない根拠は,ここにあります:

電波法25条 (無線局に関する情報の公表等)

総務大臣は、 無線局の免許又は第27条の18第1項の登録(以下「免許等」という。)をしたときは、 総務省令で定める無線局を除き、 その無線局の免許状又は第27条の22第1項の登録状(以下「免許状等」という。)に記載された事項のうち総務省令で定めるものをインターネットの利用その他の方法により公表する。

電波法施行規則11条2 (免許状等記載事項を公表しない無線局)

法第二十五条第一項の総務省令で定める無線局は、次の各号に掲げるもの(第十条の二第二号から第六号までに掲げる無線局及び非常局を除く。)とする。
【中略】

十六  人工衛星、宇宙物体又はロケットの位置及び姿勢を制御するための無線通信を行うことを目的とするもの

【後略】

なお,団体によっては既存の「社団局」との“二重免許”――コールサインは同じ――になっており,そういった場合には,社団局のほうで無線局等情報検索に掲載されています.


アマチュア局の区分  [JJ1WTL]

では,アマチュア局を区分するとどうなるのでしょう?個人局/社団局,移動局/固定局...それだけですか?甘い!
以下,参照条文は代表例です.

個人の開設するアマチュア局,個人局
(順に,無線局免許手続規則2条9,無線局の局種別審査基準第15アマチュア局1)は,ごくふつーのアマチュア局.

社団であるアマチュア局,社団のアマチュア局,社団局
(順に電波法施行規則43条4,電波法施行規則別表3,無線局の局種別審査基準第15アマチュア局2)は, おなじみサフィックスがYAA-ZZZの局.

法第五条第一項各号に掲げる者が開設するアマチュア局
外国人が開設するアマチュア局
(順に,電波法施行規則7条6,識別信号の指定基準19アマチュア局(1)注6)は,外国人が日本国内で開設したアマチュア局のこと. 免許申請時に添付する書類や,免許状が英語併記である点が異なります. 初期には7Jシリーズのコールサインが与えられました. しかしいまでは,日本人と同じコールサインブロックから割り当てられます.

外国において法第40条第1項第5号に掲げる資格に相当する資格を取得した日本人が開設するアマチュア局
(無線局の局種別審査基準第15アマチュア局18)は,外国免許で開局した日本人のこと.

移動運用のアマチュア局,移動するアマチュア局
(順に,無線局の局種別審査基準第15アマチュア局22,無線設備規則15条3)は, 送信電力が50W以下であれば許可.

固定運用のアマチュア局
(無線局の局種別審査基準第15アマチュア局22)は,50Wを超える局を開設しようとすると,こうなります.

アマチュア業務の中継用無線局,レピーター局
(順に,識別信号の指定基準19アマチュア局(2),無線局の局種別審査基準第15アマチュア局3)は,レピーターのこと. JR#W$,JR#V$,JP#YC$-です(沖縄はJR6Y$,JQ6YB$-).

アシスト局,レピーター局の中継を援助するアマチュア業務の中継用無線局
(無線局の局種別審査基準第15アマチュア局3)は,いわゆるD-STARの局のこと.
公衆網接続も認められる.

リモコン局,レピーター局又はアシスト局を遠隔制御する局
(無線局の局種別審査基準第15アマチュア局3)は,レピーターのリモコンのこと. JP#Z$$です(沖縄はJQ6Z$$).

行事等の開催に伴い、臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局
(電波法関係審査基準 別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 20項)は,『記念局』のことで, 8J,8Nシリーズのコールサインを持ちます.

国際宇宙基地に開設されたアマチュア局と通信を行うために臨時に開設するアマチュア局
(電波法関係審査基準 別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 21項)は,ARISSスクールコンタクトのために,アマチュア無線の従事者免許を持たない小中学生が運用するための局.
JARLの表現では「ARISSスクールコンタクトのために臨時に開設する社団局」と,
ARISS Japan では「臨時局」と,呼んでいます.
8J,8Nシリーズのコールサインが割り当てられます...が,“記念局”とは別カテゴリなのもお判りいただけると思います.

臨時に開設するアマチュア局
(電波法施行規則34条10)は,前出の二項の総称.

人工衛星に開設するアマチュア局
(電波法施行規則38条)は,アマチュア衛星そのもの. アマチュア衛星そのものにも無線局としての免許が必要なことは,お判りいただけるでしょう. 8J1J$Sを使っています.
Cube SatはJQ1YCW, JQ1YCY,JQ1YGU,...と,社団局の扱いです.

人工衛星に開設するアマチュア局の無線設備を遠隔操作するアマチュア局
(電波法施行規則38条)は,アマチュア衛星のテレコマンド局. JJ1ZUT,JJ1ZUU,JQ1YCX,JQ1YCZ,JQ1YGV,...があります.

人工衛星等のアマチュア局
(電波法施行規則38条)は,前出の2項の総称.

無線設備の設置場所の変更検査を受けることを要しないアマチュア局
(総務省告示42)は,認定業者によって技術基準適合審査を受けた局のこと.

空中線電力が二〇〇ワツト以下のアマチュア局
(総務省告示42)は,認定業者による技術基準適合審査を受けるための条件です.

この認定業者制度の導入に際しては,
財団法人日本アマチュア無線振興協会により総務大臣の認めた手続きに従い法第三章の技術基準に適合していることの保証を受けているアマチュア局
(総務省告示42附則2)は,移行措置として救済されています.

52MHz帯の周波数帯の電波を使用するアマチュア局
(無線局の局種別審査基準第15アマチュア局13)は,DX目的なら1kW免許が可能.

このほかJARLによる区分として中央局(JA1RL),地方局(JA#RL),補助局(JA#YRL),南極局(8J1R$),ビーコン局(JA#IGY),ARDF局などがあります. おっと,特別記念局特別局もですね.

ついでに
アマチュア局に広報を送信する無線局
(電波法施行規則41条2)というのもあります.
ただしこれはアマチュア局ではなく『特別業務の局』で,いわゆる『ガイダンス局』です.
“あまちゅあがいだんす”です.

ここまで来たらもう一つ.
電波の規正通報を送信する無線局
“でんかんきせい”です.
『特別業務の局』です.


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May 7, 2011, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL