免許人がJARLではない記念局

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免許人が JARL ではない記念局  [JG1KYL]

ネタとしては不十分ですが、以前北海道で免許されたある記念局は免許人がJARLではなく、一般のクラブだった。
特別コールの発給規定のどこを見ても「JARLでなくてはならない」とは書かれておらず、電監も 免許を出さざるを得なかったが、JARLから当該クラブに猛烈な圧力があった、という話をそのクラブの方から聞いたことがあります。
ただ残念なことにコールや局名は失念してしまいました…。


免許人が JARL ではない記念局(続)  [JH9UJB]

上記の局は「8J8EXP」のことを指しているのだと思います。
この記念局は1986年6月22日から9月15日まで「北海道21世紀博覧会」(岩見沢市 いわみざわ公園)内で運用されたもので、当時JARLではなく「21世紀博記念アマチュア無線クラブ」「会長・安達弘之」が免許人であったことが、話題となりました。

私も同クラブの会員で(と言ってもちょっと運用させてもらっただけですが) 会員証やQSLが手元に残っております。
また同記念局の閉局時に開局・運用・JARLとの対応等を記載した記念誌が配布されました。
記念誌は引越のどさくさで行方不明ですが、内容は免許申請書や落成書局免などのコピーや運用話、JARLや電監とのやりとりが記載されていました。


免許人が JARL ではない記念局(続々)  [JI3SRZ]

8JxBSJ はJARLが免許人ではない記念局です。 免許人はJA1YSS日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブです。 xはエリアナンバーを現す数字ですから、開局の都度に変わります。 4年に1度開催されるボーイスカウトジャンボリー大会の記念局です。 昨年大阪で開催された時には何故か開局しませんでしたが、その4年前に秋田県 開催された時には8J7BSJが運用されました。


免許人が JARL ではない記念局(続々々)  [JJ1WTL]

記念局の設立母体についてざっくりとまとめると,こうでしょうかね?:

記念局
├JARL
├JARL支部
├ボーイスカウト連盟
├ライオンズクラブ
├ロータリークラブ【8N3RIを受けて追加】
├日本ITU協会
└その他の一般クラブ

「電波法関連審査基準」で定めている,記念局の申請者の条件は,つぎのとおりです:

申請者は、連盟又はアマチュア業務の健全な普及発展を図ることを目的とする社団であって、行事等に密接な関係があるものであること。

つまり,JARL 以外でも開設は可能です.



画期的だった2002年  [JJ1WTL]

JARL以外の記念局の躍進

2002年より前は,「JARL」のほかでは,以下の団体でしか,記念局の開設はありませんでした:

・日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ …… JH#BSJ,8J#BSJ,8J1WJ
・21世紀博記念アマチュア無線クラブ …… 8J8EXP
・電気通信大学 …… 8J1UEC

それが2002年になりますと,次のように一気に幅が広がったのです:

・日本ITU協会アマチュア無線クラブ …… 8J1ITU
・大阪国際交流センターラジオクラブ …… 8N3DNP
・JARL山口県支部 …… 8J4WLC

JARLの支部から総通への直接申請でした.
これは,当時のJARLに,年度中に記念局の後追い申請を受け付けるルールがなかったためです.
翌2003年からは,後追い申請のルールが整えられました.

制度の緩和

時を同じくして,
・ARISSスクールコンタクトのための臨時局の制度 もできましたし,
8Nのプリフィクス が広く使われるようにもなりました.

一文字サフィックスの登場

8J1Cほかの一文字サフィックスが現れたのも,この2002年のワールドカップが初めてでした

一文字サフィックスというのは,このときはまだ例外扱いでした.
(2004年2月の二文字サフィックス8N3RIも,また例外.)
のち,WRC-03の結果を受けて,日本では2004年6月24日から,正式に1~5字のサフィックスが選べるようになりました.

ただし,末尾はアルファベット.
末尾がアルファベットに限られるのは,国際的な規定によるものです(RR:無線通信規則).
一方,サフィックスが5字で歯止めなのは,日本だけのローカルルールです(電波法関係審査基準).

『JARL Stationsアワード』での扱い  [JJ1WTL]

#513 JARL理事会(2009/11/28~29)において,アワード規約が改正され,
「JARL以外が開設するコールサインが8Jまたは8N等で始まる局についてもJARLが開設する局とみなす。」
ことになりました.〔JARL NEWS 2010年冬号p.31左段〕
2009/11/28以降の“申請”に適用されます.〔同p.45右段〕

∵誤申請対策・審査簡略化.


JARL vs non-JARL

JARLを介さない直接申請の「デメリット」としては,つぎのような点でしょう:

 JARLnon-JARL
特別局
(ローカルイベント用)
特別記念局
(ナショナルイベント用)
大目的・行事等を記念すること及びその意義を広めること
・アマチュア無線に対する理解の増進、アマチュア無線の健全な普及、発展等に寄与すること
位置づけ記念局連盟の特別行事において、公開展示し運用する局 国際的又は国家的に重要な行事において、アマチュア無線家が多数参加 し、かつ、一般参加者に対してアマチュア無線の認識を高めるために公開 展示し運用する局 
対象とするイベントJARLの特別行事国際的又は国家的に重要な行事 
基準・JARLの『特別局及び特別記念局の開設基準』
・総務省の『電波法関係審査基準』

総務省の『電波法関係審査基準』
申請のリードタイム3ヶ月前まで
支部長・地方本部長の承認の後
前年度の1月末まで
地方本部長の承認の後
 
総通の処理のリードタイムのみ
「緊急やむを得ない場合であって会長が特に認めたものについては、この限りでない。」
(総通の処理のリードタイムは不可避)
承認者・JARL会長
 (必要なら理事会)
・総通
・JARL理事会
・総通

総通
経費負担開設申出者つぎのいずれか
・JARLの予算支出5万円/局まで
 (かつ50万円/(年間・総額)まで)
・開設申出者
開設申出者
対総通折衝・免許手続きJARL自力
開設団体の印象磐石つっこまれる
局の建て付けつぎのいずれか
・JA#RL・JA#YRLのコールを一時的に変更
 免許申請はJARL事務局
 要 事前の借用調整
・新規に開設
 免許申請は開設申出者
(JARLの局以外の社団局を変更してJARLの記念局に仕立てることは,不可)

: エリアによっては,JA#YRLはJH4YRL・JH6ZRL・JH8ZRL・JR0ZAX.
つぎのいずれか:
・既存の社団局のコールを一時的に変更
・新規に開設
リグの素性見知らぬ素性のリグ
(リスクの例:「CWフィルター」がない)
素性も熟知・操作も慣れ親しんだリグ
(とくに,既存の社団局のコールを一時的に変更した場合)
移動局・固定局基本は移動局のみ
固定局も可
QSLJARLによる転送料不要10,800円/(年・コール)
交信相手からの受領不可(∵ビューローの負荷軽減)
運用者運営委員会/社団 のメンバ各人の操作範囲内で運用可
運営委員会/社団 のメンバ「以外」JARL会員による運用「記念局=社団局の構成員」であり,操作範囲内で運用可
(「ゲストオペ」とは呼ばない;れっきとした「構成員」)
可/否は,社団が自由に決めてよい
(たとえばシャットアウトも可
 ただし“記念局の公共性”の面から問題視される可能性)

扱いはつぎのいずれか:
・ゲストオペ
・構成員として追加 
((1)定款に反しないのであれば
 (2)操作できるリグがあるのであれば
 (50W機以上しかない社団に四アマは構成員として追加不可)

 事後届出で可
 (理事の変更でない限り))
JARL「非」会員・原則としては会員のみ
・以下の条件でゲストオペ運用
 ①短期間であってもJARLへの入会を勧める
 ②事前に管理者の了承を得るとともに所定のQSLカード代等の経費負担をしてもらう
〔#447 JARL理事会(2001年10月)〕
ゲストオペでの制限・JARL会員/社団局の構成員 の立ち会いが必須
 (「ゲストオペが自宅にリグを持ち帰って」とかは,立ち会い人が付いて行かない限り,不可)
・立ち会い人の操作範囲内に限られる
 (例:「ゲストが一アマ」でも「立ち会い人が四アマ」なら,四アマの操作範囲内に限定)
書面事前・特別局・特別記念局開設申出書
・運用計画
・収支予算案
・行事等に関するパンフレット
・行事等の主催者から記念局の開設に関する同意書(様式任意)
・行事等の主催者または開設場所責任者から記念局の設置に関する同意書
・提出が2月に開催の理事会に間に合わない場合は「理由書」

QSLカードの審査あり
例としては(既存の社団局のコールの一時的な変更による場合)
・記念局要望書(総通局長あて)
 記念局を要望する事由,希望コール,期間,運用場所
・アマチュア局の無線設備等の変更申請(届)書
・無線局事項書及び工事設計書
・アマチュア無線記念局の開設に関する同意書
・記念事業の説明資料
期間中運用申込書(毎運用日) 
事後JARLあてに
・運用報告書
・収支報告書
支部長・地方本部長承認の後
専務理事が理事会にて業務報告
元のコールサインに戻すための変更申請
(既存の社団局のコールの一時的な変更による場合)
JARL Stationsアワード計上可計上可:
「JARLが開設する局とみなす」
〔#513 JARL理事会(2009年11月)〕
(2009/11/28以降の“申請”に適用,すなわちそれ以前の交信でも遡って計上可)
コールの再利用にあたってのガードタイム3年程度
(行事名や内容等が異なる場合)
〔#484 JARL理事会(2006年2月)〕
制約なし
(総通が認めれば可)
    

参考


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July 29, 2012, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL