養成課程講習会の時間の変化です．
もっともこれは法令で定められた“最低”の時間ですので，実際の講義時間としては，これ以上だったこともありました（例：「法規20時間，無線工学24時間」，参考：http://homepage3.nifty.com/hamlife/kousyu.jpg）．
驚くべきは，「電信アマ～三アマ」の（標準）コースがあったことです．
ただし，S61(1986).4.1以降はJARDは受講料を設定していませんので（参考：JA9WB『北陸のアマチュア無線史』），すくなくともそれ以降については，開催された実績はないようです．
...換言すれば，「欧文普通語 25字／分 という電信は，25時間あれば習得できる」と，お国がお墨付きを与えている――と，解釈してもいいのかもしれません．
2009年，『無線従事者規則』が改正(*)され，営利目的であっても養成課程講習会の開催が認められるようになりました．
(*)：平成21年2月27日総務省令第15号（平成21年4月1日施行）
養成課程講習会の始まりはS40年からでした（実施は翌S41年～）．
このときに，開催者の認定の基準として，「営利を目的とするものでないこと。」という制限が設けられました．
この制限は，H2年の『無線従事者規則』の全改正の際も，継承されています（ただし条文の番号は変わりました）．
これがH21(2009)年になって，「営利を目的とするものでないこと。」の制限が撤廃され，“民営化”が認められたのです．
さて，これによって，従来のJARL（S41～H5年）～JARD（H5年～）だけではなく，総通の認定さえ受ければ，民間企業でも養成課程講習会を開催できることになりました．
これを受けて参入したのが，
・『NPO法人ラジオ少年』
・『株式会社キューシーキュー企画』
・『京都アマチュア無線振興会』
・『NPO法人クリスタルテック』
・『でんき理科クラブ』
・『京都府農業協同組合中央』
です．
七者の比較です（四アマのみ，TNX TO JA8ATG ES QCQ KIKAKU）：
| JARD | ラジオ少年 | QCQ企画 | 京都アマチュア無線振興会 | クリスタルテック | でんき理科クラブ | 京都府農業協同組合中央 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 受講料 | 成年 | 22,750円 | 16,750円 | 18,000円 | 36,000円 | 15,750円 | （三アマのみ） | （三アマのみ） |
| 未成年 | 10,500円 | |||||||
| 19歳未満 | 2,750円 | |||||||
| 中学生以下 | 7,750円 | 8,000円 | ||||||
| 開催地 | 全国 | 札幌ほか | 東京ほか | 田辺・京都 | 宝塚 | 東京 | 京都 | |
| 認定番号 | 北通航第300号 | 関通無航第964号 | 関通無航第506号 | |||||
| 認定日 | H21(2009).7.15 | H22(2010).10.6 | ||||||
| 開始日 | S41(1966).3.13 | H21(2009).9.12 | H22(2010).10.17 | H23以前？ | H25？ | H26夏 | ||
| Web | www.jard.or.jp/ media/course/info/index.html | www.radioboy.org/ yousei.htm |
www.qcq.co.jp/ ykk/34ama/34ama_top.html |
npo-ct.jp/ | members3.jcom.home.ne.jp/ denkirikaclub/ :96:b3:90:fc:97:7b:90:ac:89:db:92:f6.html | |||
いずれも受講料は
・四アマのコース
・無線従事者免許証の申請手数料コミ
です．
第972回 電波監理審議会（平成23年11月9日） 議事録から
○松﨑委員 現在、養成課程を行っている民間の企業は、何社ぐらいありますか。
○竹内電波政策課長 今、手元で確認できるもので５社ございます。ＮＰＯの ラジオ少年ですとか、ＱＣＱ企画という無線関係の雑誌を出している会社でご ざいます。それからドコモエンジニアリング東海、ベータテック、京都アマチ ュア無線振興会でございます。
一方，「国家試験」のほうはガードが堅く，一般社団法人か一般財団法人でないと，指定試験機関としては認められません（法46条）．
ですので，「VEチームが引き受ける」ようなワケには，いきません：
（指定試験機関の指定）
第四十六条 総務大臣は、その指定する者（以下「指定試験機関」という。）に、無線従事者国家試験の実施に関する事務（以下「試験事務」という。）の全部又は一部を行わせることができる。
２ 指定試験機関の指定は、総務省令で定める区分ごとに一を限り、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
３ 総務大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、当該指定に係る区分の試験事務を行わないものとする。
４ 総務大臣は、第二項の申請をした者が、次の各号のいずれかに該当するときは、指定試験機関の指定をしてはならない。
一 一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
【後略】