替え玉受験

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1999年,2件発覚

有印私文書偽造という判決――電波法違反ではありません――を受けて,郵政大臣(当時)は,

「さて,その不正に取得した二アマの従免は,取り消すべきでしょうかね?」

と,電監審に諮ります.
以下はそのときの,公聴会の『公告』です.
...もちろん,“取消しは適当”との結論が導かれています.

公告日内容
H12(2000).1.11 ●JH1AJT に替え玉 JG3QCW

1999-06-16報道(各紙東大阪版夕刊):  朝日産経毎日読売

JH4RHFによるまとめ: http://www.qsl.net/jh4rhf/offer/ajt.htmhttp://www.qsl.net/jh4rhf/offer/ajt-2.htm

報道発表『無線従事者免許の取消処分』(電監審への諮問) http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/258151/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/991210j601.html



結末はこちら:
『電波監理審議会意見の聴取(平成12年2月23日公表)』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/japanese/radio/00223j02.html

報道発表『無線従事者免許の取消処分』(電監審からの答申)
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/258151/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/000223j602.html

本例は海外のDXニュースでも報道されました.

5月にNew Orleans International DX Conventions から,"DXer of the Year" と発表.
8月のイベントでのプレゼンテーションが予定されていましたが,その前,
6月に逮捕となりました.
表彰も取り消し・辞退に.

しかしのちの2015年に,CQ magazine (俗に US CQ)の『CQ DX Hall of Fame』に選出されました.

  • "CQ Names 2015 Hall of Fame Inductees"
    ARRL,05/15/2015
    http://www.arrl.org/news/cq-names-2015-hall-of-fame-inductees

また,
http://dxshack.net/ham-opnion/XW2A-NODXCC-2008.html
によると

Jaoanese judge court judgment is 2 year in prison to him.

とのことです.
しかし猶予刑におさまると思いますが?

H12(2000).5.8 ●JA2JID に替え玉 JA2HRE

1999-11-04報道(各紙東京版夕刊):  朝日毎日 (読売には掲載なし,産経は未調査,日経は扱いが小さいので割愛)

報道発表『無線従事者免許の取消処分』(電監審への諮問)
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/283520/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/000421j604.html



結末はこちら:
『電波監理審議会意見の聴取(平成12年5月26日公表)』
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/japanese/radio/00526j02.html

報道発表『無線従事者免許の取消処分』(電監審からの答申)
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/283520/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/pressrelease/japanese/denki/000609j603.html
こともあろうに無線機器販売店(ジェイアンドアイ(株))の経営者が,いかんですね.
もっとも,学習塾の経営者でもですが...

このように官報にまで載って,未来永劫末代までアーカイブされてしまうわけで,まぁ,やらんこってすね:

むかし あまちゅあむせん という趣味があってのぅ,うちのご先祖様はそこで替え玉受験をしてのぅ,捕まったんじゃ.

...とはいえ「四アマ」「三アマ」の従免は取り上げられずに生きていますから,QRTにまで追い込まれることは,法的にはありません.
ただし前者の例では自主的に,(1)廃局*し,(2)社団局の代表者を辞しています.
*: のち2010年に復活.そうでなかったら,善良な第三者にコールサインが再割当されてしまうところでした.)

後者の報道(毎日)によりますと,“相場3万円”と読み取れます.
替え玉さんが2回落ちたのが笑えます.
しめて9万円を払ったのでしょうか?...“契約”の内容が気になります(爆).


「一陸特」講習会 修了試験問題漏洩

近い話として,「一陸特」の講習会で,修了試験問題の漏洩がありました(2008-06-13).
結果として,以下となっています:

・東海支部長→ 懲戒解雇
・前支部長 → 嘱託解任
・協会   → 東海総合通信局から再発防止の徹底を指導される.

報道の例

『国家試験問題10年間漏えい/無線協会支部、650人に』
2008/06/13 19:52
http://news.shikoku-np.co.jp/national/social/200806/20080613000430.htm

 財団法人日本無線協会(東京)は13日、同協会が実施している国家資格の第1級陸上特殊無線技士の試験問題を、同協会の東海支部長(64)と同前支部長(72)が約10年間にわたって漏えいしていたと発表した。事前に試験問題の内容を把握していた受験者は約650人に上り、大半が合格したという。

 協会は同日、東海支部長を懲戒解雇処分とし、同支部で嘱託として勤務していた前支部長を解任。理事長ら役員3人も減給10分の1(2−3カ月)の懲戒処分とし、同支部を所管する東海総合通信局は協会に再発防止の徹底を指導した。

 陸上特殊無線技士の資格は、同協会が実施する試験の合格者か、一定期間の講習を受け修了試験に合格した受講生が取得。試験・講習ともに、総務省の許可を受けた民間団体も実施している。

 協会によると、2人は1998年から今年にかけて、許可を受けて試験業務を行っている電気通信関連会社「ベータテック」(名古屋市)に対し、講習の修了試験に出題される問題を漏えい。複数の講師が問題を黒板に記すなどして受講生に伝えていた。

日本無線協会からの発表文

『お詫び(東海地区で実施した養成課程における不正について)』
http://www.nichimu.or.jp/oshirase/080613.html 【リンク切れ】

 平成10年11月から平成20年3月まで、当協会東海支部が実施した第一級陸上特殊無線技士の養成課程((株)ベータテック社からの要請を受けて同社に事務委託を行ってきたもの。)において、管理責任者である東海支部長から同社代表に提供した試験問題を、同社に所属する講師が受講者に対し事前に漏洩するという不正が行われていたことが判明しました。

 当協会としては、これまでの期間、このような事実を把握できていなかったことを深くお詫び申し上げます。

 今回判明した不正について、早急に原因を究明すると共に、全支部の管理責任者及び講師に対して適正な管理を行うよう、養成課程の管理体制を改善強化していき、今後このような不祥事を再発しないよう信頼回復に努めて参る所存です。

東海総通発表

『無線従事者養成課程における試験問題の漏洩に関する財団法人日本無線協会に対する指導について』
(国会図書館によるアーカイブ)
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286922/www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/tool/kohosiryo/hodo/20/06/0613-2.htm

平成20年6月13日

無線従事者養成課程における試験問題の漏洩に関する 財団法人日本無線協会に対する指導について



総務省東海総合通信局(局長 佐村 知子(さむら ともこ))は、財団法人日本無線協会が実施した第一級陸上特殊無線技士の養成課程において、試験問題の漏洩が判明したため、本日付けで同協会に対し文書により指導を行いました。

1 試験問題の漏洩の事実

1.平成10年11月から平成20年3月までの間、財団法人日本無線協会(以下「協会」という。)の東海支部が事務代行方式により実施した第一級陸上特殊無線技士の養成課程において試験問題が漏洩していたことが判明しました。 2.東海総合通信局では、無線従事者規則第29条により東海支部等を調査した結果、漏洩には、養成課程の管理責任者及び事務代行先の一部講師が関与していたことが明らかになりました。

2 指導内容

東海総合通信局は、協会に対して、不正の原因究明、再発防止策の検討及び養成課程に係る役職員全員に対する指導の徹底等を実施するよう文書(別紙)により指導を行いました。

3 今後の予定

東海総合通信局は、厳正かつ公正な無線従事者養成課程の確実な実施を確保するため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいる所存です。



【参考】 無線従事者養成課程とは無線従事者資格を取得する一方法であり、総務大臣の認定を受けて開設された養成課程を受講し、その修了の際に行う修了試験に合格した者は、申請により所定の無線従事者資格を取得できる制度のこと。第一級陸上特殊無線技士とは陸上に開設する無線局の空中線電力500W以下の多重無線設備で、30MHz以上の周波数の電波を使用するものの技術操作ができる無線従事者資格の一つである。

【連絡先】

東海総合通信局 航空海上課 電話:052-971-9195

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【別紙】
海通海第232号
平成20年6月13日



財団法人日本無線協会
 理事長 杉山 榮亮 殿

総務省 東海総合通信局長
   佐村 知子

無線従事者養成課程における不正について(指導)

標記について、無線従事者規則第29条による調査を行った結果、財団法人日本無線協会東海支部が、平成10年11月から平成20年3月までの間に事務代行方式により実施した第一級陸上特殊無線技士の養成課程において試験問題の漏洩があったことが判明した。
今般の事案は、養成課程制度全般に対する信頼を著しく損なわせるばかりか、無線従事者制度そのものに対する国民の信頼の低下をも招きかねない重大なものである。本件に直接関わったのは、貴協会東海支部において事務代行方式により実施した養成課程の管理責任者である東海支部長と一部講師であるが、厳正な養成課程の実施は、認定施設者としての貴協会の責務であり、これを全うできなかったことの社会的責任は極めて重く、誠に遺憾である。
 当局としては、厳正かつ公正な養成課程の確実な実施を確保する観点から、再びこのような事態が発生することのないよう、貴協会を厳重注意すると共に、不正の全容と原因の究明を行い、下記の措置を速やかに講ずるよう指導する。
 なお、養成課程を確実に実施することができ、かつ、その運営を厳正に管理することができると認められるまでの間、東海支部長を代理人とした養成課程は、認定しないので了知されたい。



1.措置事項
・養成課程における管理責任者の責任の明確化と試験問題の管理の徹底を図ると共に役職員全員に対するコンプライアンス意識の徹底を図ること。
・事務代行方式による養成課程実施の見直しを図ること。
・貴協会東海支部の養成課程が適正に実施できる体制の再構築を図ること。

2.報告書の提出
・措置内容について、1ヶ月以内に報告すること。
・措置の実施状況について、3ヶ月以内に報告すること。

3.実地調査の実施
・報告内容を確認するために実地調査を行う。

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June 23, 2015, Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL