アマチュア局用電波法令抄録

昭和38(1963)年の電波法施行規則の改正^＊によって，「抄録」が認められるようになりました．

^＊：昭和38(1963)年7月31日郵政省令11号．本ページ末尾に関連部分．

根拠条文は以下のとおりです：

法60条（時計，業務書類等の備え付け）
「無線局には、正確な時計及び無線検査簿、無線業務日誌その他総務省令で定める書類を備え付けておかなければならない。ただし、総務省令で定める無線局については、これらの全部又は一部の備え付けを省略することができる。」
↓
施行規則38条（備付けを要する業務書類）
「法第六十条の規定により無線局に備え付けておかなければならない書類は、次の表の上欄の無線局につき、それぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。」
【中略】
「４　第一項の規定により無線局に備えつけておかなければならない法及びこれに基づく命令の集録で、アマチュア局、簡易無線局その他総務大臣が別に告示する無線局に係るものについては、総務大臣が認定する抄録をもつてこれに代えることができる。」
↓
毎年の認定の告示

これを受けて，S40(1965)年から実際に「抄録」が発行されています．
当初は，二つの発行元――『電波振興会』と『無線従事者教育協会』――によるものが，並売されていたようです．
S43(1968)年からは，今に続くJARLの編集によるものが，発行されています．
ただし，S42～S43，S44～S47の分は，発見に至っていません．

その後，H21(2009)6.22省令62（電波法施行規則の一部を改正する省令）によって，備え付け義務がなくなりました．JARLによるものも，H21(2009).8.1発行の版が（現状）最後になっています．

なお一項の表の「注三」により，「CD-ROM＋パソコン」で備え付けることも認められています．

アマチュア局用電波法令抄録の認定

告示日 適用日・施行日	内容
S40(1965).12.7 即日	●電波振興会版．
S41(1966).3.11 即日	●無線従事者教育協会版．
S41(1966).3.18 即日	●JARL版．
この間，とぎれています
S43(1968).4.22 即日	●以降はJARL版．
この間，とぎれています
S47(1972).4.13 即日	●S47版．
S48(1973).2.5 即日	●S48版．
S49(1974).1.26 即日	●S49版．
S50(1975).5.23 即日	●S50版．
S51(1976).6.16 即日	●S51版．
S52(1977).7.6 即日	●S52版．
S53(1978).6.3 即日	●S53版．
S54(1979).5.18 即日	●S54版．
S55(1980).4.7 即日	●S55版．
S56(1981).4.21 即日	●S56版．
S57(1982).6.17 即日	●S57版．
S58(1983).5.26 即日	●S58版．
S59(1984).5.28 即日	●S59版．
S60(1985).5.17 即日	●S60版．
S61(1986).5.20 即日	●S61版．
S62(1987).5.25 即日	●S62版．
S63(1988).5.23 即日	●S63版．
H1(1989).5.18 即日	●H1版．
H2(1990).6.28 即日	●H2版．
H3(1991).5.31 即日	●H3版．
H4(1992).6.12 即日	●H4版．
H5(1993).6.8 即日	●H5版．
H6(1994).5.20 即日	●H6版．
H7(1995).6.5 即日	●H7版．
H8(1996).5.27 即日	●H8版．
H9(1997).5.15 即日	●H9版．
H10(1998).5.20 即日	●H10版．
H11(1999).5.20 即日	●H11版．
H12(2000).5.18 即日	●H12版．
H13(2001).5.9 即日	●H13版．
H14(2002).6.14 即日	●H14版．
H15(2003).6.10 即日	●H15版．
H16(2004).6.4 即日	●H16版．
H17(2005).6.7 即日	●H17版．
H18(2006).5.30 即日	●H18版．
H19(2007).6.6 即日	●H19版．
H20(2008).6.16 即日	●H20版．

参考

電波法施行規則の改正（S38(1963).7.31郵政省令11号）

制定日 適用日・施行日	内容
S38(1963).7.31 S38(1963).8.1	●抄録制度のはじまり．