アマチュアむけのコースが始まったのは1971(S46)年です:
しかし広告に“認定第一号”と謳われていたとおり,通信教育を手がける団体としての歴史は古い(最古)です.
冒頭の図のとおり,1948(S23)年からコースを手がけています.
まずは「ラジオ工学」からでした.
Hamライフ1971年10月号〜1972年2月号にこの名義で掲載があります.
広告文には――
“文部省認定申請中”
“35年の伝統と洗練された指導をほこる”
――とあります.
所在地は西荻北2-10-3.
ところが.
1972年3月号になると突然『(財)ラジオ教育研究所』“文部省認定”にバケています.
どうやら前項の名義は,文部省の認定を取るまでの 仮の姿 だったようです.
たしかに『(財)ラジオ教育研究所』自体は,前項に引用したとおりで,約35年前の1948年からあります.
なお,Hamライフ誌の刊行は1971年8月号〜1975年6月号で,国会図書館に全号とも納本されています(さすが).
1984(S59).3.30に名称を変更しています〔S59.7.18文部省告示109〕:
この1984年に改名した際に,『(株)日本通信教育連盟』,現・『(株)ユーキャン』と契ったようです(2006.6.1付でユーキャン).
この前後で,
・住所が杉並区から新宿区に
・代表者が本間某氏から品川某氏に
変わっていますので.
参考URL:前田行政書士事務所の『事務所の要目』
http://www.hmgyo.com/jm.html
(株)日本通信教育連盟(現ユーキャン)傘下の(財)電子技術教育協会・日本ビジネスカレッジの勤務を経て...
そして,『日本文化スクール』と入れ替わる形で,『日本通信教育連盟』の仲間として,1984年10月に広告が現れています.
つまり,『日本通信教育連盟』の下のアマチュアむけの通信教育は,主催が
・1984年2月まで 『日本文化スクール』
・1984年10月から 『(財)電子技術教育協会』
と切り替わっています.
PMI: Post Merger Integrationの一環として,
もともと自社で有していた『日本文化スクール』側のコースをやめて,
新たに傘下に収めた『(財)電子技術教育協会』――旧『(財)ラジオ教育研究所』――側のコースのほうを生かした ことになります.
“文部省認定”ともなりますと,始めるときはもとより,終えようとするときにもチェックが入ります.
廃止を申し出たときの言い分を以下のURLで見つけました:
中央教育審議会生涯学習分科会(第33回)会議次第の『(財)電子技術教育協会』
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/04063001/005/004.htm
「受講者の推移」が載っていて参考になりますので抜粋します:
年度 | 平成6 | 平成7 | 平成8 | 平成9 | 平成10 | 平成11 | 平成12 | 平成13 | 平成14 | 平成15 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
受講者数 | 1,473 | 1,526 | 1,134 | 835 | 588 | 515 | 413 | 358 | 270 | 0 |
ですので,実質は2002(H14)年に終了しています.
ただし冒頭の図では,廃止が認められた「2004(H16)年まで」としました:
ところで,Wikipediaの『ユーキャン』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3#.E6.B2.BF.E9.9D.A9.5B1.5D
では,設立時期について,電気学会電気技術史研究会資料(HEE-98-7)『ラジオ教育研究所の足跡』(高田稔)を参照し,
「1947年12月、財団法人ラジオ教育研究所(略称ラ研)設立」
としています.
しかし本稿では,上述の中教審のURLにある 「法人設立年月日 昭和23年1月27日」 を優先して採用しました.
池袋→下落合→西荻北→荻窪→高田馬場 と移っています.