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JARL臨時社員選挙にあたり―JJ1WTL

~ できるところからコツコツと,聖域なく ~



  1. 当局への要望

    1. レピータの規制緩和

      現在禁止されている,以下の事項の認可を目指します:
      • レピータ間を結ぶ,補助中継回線
      • クロスバンドレピータ
       認められる場合もあります:下図ご参照.
       D-STARでは可能です.

      いま,レピータは,「免許人が JARL」「費用負担が各管理団体」というネジレ状態にあり,池田総会での質疑応答などによると,改善が検討されつつあるようです.

      ならば千載一遇のチャンス.
      これは結局,総務省の内規――電波法関係審査基準――を改正する必要があるのですから,この機に乗じて規制緩和を獲得してしまいましょう という目論見です.

      ゼロから交渉を起こすのに比べたら,実現のチャンスは格段に高まるはずです.

      すでに VoIP を介すことで実質同等なことはできていますから,禁止する理由はさほどないはず.
      ただ,否定的な指導・意見は以下のとおりと想像します.
      それらに対する考えと併せて示します.

      • 「電波資源の無駄遣いである」
        • 現行許されているVoIPのカンファレンスルームと大差ありません.
        • 補助中継回線については,無線LANもしくは登録免許バンドまたはインターネット(有線)などの“他のリソース”を占有して構成するよりは,「アマチュアの持つリソースでまかなえる範囲はまかなう」べきでしょう.

      • 「中継に適するであろう1200MHz帯のリグの市販品が限られる」
        • 「リグがない」というのと,「制度としてハナから禁じる」というのとは,次元の違う議論です.

      • 「実需がさほどない」
        • 仰々しく定められている「アシスト局」でさえ,東・名・阪の3システム――くわえて,長野で公募中――だけです.
        • クロスバンドレピーターは「交信相手が増やせる」という利便性をもたらしますから,一定の需要があるかもしれません.

  2. 涙をのんで削れるところは削り,連盟の負荷軽減・財政健全化の一助に

    1. 『特別局』の制度廃止

      『特別記念局』(ナショナルイベントむけ)のほうは制度を維持;
      『特別局』  (ローカルイベントむけ) のほうは,次のいずれかを後継策とし,制度廃止へ.
      • ローカルクラブから総通への直接申請で開設してもらう
      • 中央局・地方局(サフィックスがRLの局)の公開運用にしてもらう

      総通への直接申請は,すでに全エリアにおいて事例が確立されました.
      また端的な例では,「名古屋大学の70周年」を連盟の行事として祝う必要性には疑問を抱かざるを得ません.
      今後はJARLの手を煩わせずに負荷軽減.
      ローカルクラブで直接開設してもらう方向に舵を切ります.

      また,「特別局」と「特別記念局」との違いも,十分認知されているとは言い難いものがありますし,その境界もあいまいになってきました.
      それも本提案による結果としての“一本化”によって,解消できます.

      なお,

      • 従来の『特別記念局』に該当する行事では,JARLの記念局の開設契機を残します.
        国体などの国家的イベントや,ハムフェアなどです.
      • 「どうしても JARL の局を使いたい」場合には,RL局を公開運用していただく道を用意します.
      • “非JARL記念局”の開設側の直接のデメリットとしては,QSL転送料 10,800円/年 が発生します.
        反対にメリットとしては,運用前後のJARLへの書面提出がいっさい不要となります.

      7月末の理事会での議論で,特別局・特別記念局に関し“会長決裁”という仮の方向性が出されています.
      しかし本提案はさらに一歩踏み込んで,「従来ルールでの特別局は廃す」というものです.

    2. 『補助局』(サフィックスが原則 YRL の局)の制度廃止

      RL局(中央局・地方局)へ一本化して巻き取ります.
      これによって,「機材」そのものや,「免許手続き」のコスト削減をねらいます.

      既存の権益になんでもかんでもすがりついていては,財政再建はなしえません.
      これだけ会計が困窮している中で,JARLの『補助局』を配備・維持する必要性は薄れてきているはずです.
      本提案に至った背景は以下のとおりです:

      • JARLとして局を持たずとも,“部外者による運用”の機会は着実に増えています:
        • 1997年~ ゲストオペ制度
        • 2011年~ 非常時における,社団局での「免許人の立ち会いなしでのゲストオペ」制度

      • アマチュアの人口(局数)・JARL の会員数も減っています.

        『補助局』の整備が進められたのは10年前まで.
        最後に信越の補助局JR0ZAXが整備されたのは2001年度でした
        すでに減少トレンドに入っていたその時点と比べても,局数で6割・JARL会員数で7割にまで低下しています:

          局数 JARL会員数
        『補助局』の整備が終わったころ 805,279局 (2002年3月末) 106,538会員 (2001年9月7日)
        いま 450,366局 (2011年6月末)   69,849会員 (2011年6月7日)


    3. 『ARISSスクールコンタクトの臨時局』のQSL無料発送の制度廃止

      ARISSスクールコンタクトも国内55例に至り(倉田小学校までを計上),もはや十分認知されてきたはずです.
      そこでQSLカードの「発送は無料」のルールを改正し,ビューローの負荷の軽減,または双方向転送化による収入増を図ります.

      現行の扱いは,臨時局からの「発送だけなら無料」「双方向交換なら有料」です.
      「発送は無料」を制度廃止し,ビューローの負荷軽減――あるいは対価を得ての発送――を図ります.
      しいて繰り返しますと,既存の権益になんでもかんでもすがりついていては,財政再建はなしえません.

      臨時局によるPR運用は,教育的見地よりはむしろ “PTAがパイルアップを楽しむ場” と化してはいませんでしょうか?
      そもそも教育的見地であれば,「児童さん生徒さんが成し遂げたことの記念」として,QSLカードは双方向交換(有料転送)の上,学校機関などに保存されなければならないと考えます.

      (しかしQSLカードは原則個人情報が記載されたものです.
       ですので,「真に学校機関に喜ばれているか?」は確認が必要ではないでしょうか.
       「じつは迷惑がられて校長室の金庫の中」とかでは,不本意ですよね.)

      またすでに,ARISSスクールコンタクトの認知は十分進んだはずです.
      始まってから55回を数え,きたる11月でもう10年になります.
      しかも,JARL NEWSなどでその都度その都度報道されてきていますので.

      2.a~2.cの提案を下図に整理します:



    4. 「会員数の減少」を前提としそれを根幹に据えた経営

      いまの四アマ合格者数は13,388名(2009年度).
      「入りがこれしかないんだ」という,この数字に立脚した運営に移行します.

      四アマ(旧電話アマ)の合格者数は,以下のとおり,ピークの8%程度にまで減少しています:

      年度 四アマの合格者数
      1991 170,837
      2009 13,388

      これと,現在のトレンド――再免率・受験年齢――が続くと仮定し試算しますと,日本のアマチュア局は超長期的には12万局にまで減少します.
      http://jj1wtl.at.webry.info/201009/article_3.html

      「入りがこれしかないんだ」という,この数字に立脚した運営が必要です.

  3. その他




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Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL / AC6IM, Aug. 31, 2011 <jj1wtl@jarl.com>