― 2014年当時のものです ―

JARL社員選挙にあたり―JJ1WTL

〜 表層的には変わりました,つぎは中身を変えましょう 〜



  1. 涙をのんで削れるところは削り,連盟の事務負担軽減・財政健全化の一助に

    既得の権益にしがみついていては,財政再建はなしえません.切れるところを切りましょう.

      『特別局』の制度廃止 (格上の『特別記念局』は残します)

      『特別記念局』と『特別局』とを一本化.
      いまの『特別局』は,次のいずれかを後継策とし,制度廃止へ.
      • 開設希望者から総通への直接申請で,『JARL以外の記念局』として開設してもらう
      • 中央局・地方局(サフィックスがRLの局)の公開運用にしてもらう

      JARLの記念局には,以下のような課題があると認識しています:

      • 『特別記念局』と『特別局』とが別であることが,必ずしも浸透していません.
      • 『特別記念局』は本来,“一般参加者に対してアマチュア無線の認識を高めるために公開展示し運用する局”でなければなりません.
        ところが,いまや対象行事は「アマチュア内輪のイベント」がほとんどです.
      • 『特別記念局』のうちで「連盟支出金がもらえなかった」ものは,実質,『特別局』と同じになります.
      • 『特別局』は本来,“連盟の特別行事”に開設されるものです.
        しかし,それに相応しいか疑問な対象行事が散見されます.
        たとえば,「どこかの学校の○周年」を,“連盟の特別行事”として奉る必要性はないでしょう.
      • 連盟は“貧乏・暇なし”です.
      • 時期によっては,『JARL以外の記念局』の数のほうが多いです.

      そこで,以下の手を打ちます:

      • 『特別記念局』と『特別局』の制度を一本化.
        「無意味と化した両者の区別」や,「規程と実態との齟齬」を解消します.
      • 現在の『特別局』相当のものは,開設希望者から総通へ直接申請して,『JARL以外の記念局』として開設.
        どんな行事であっても,総通が認めたのなら,「JARLの基準に照らして云々」の議論は不要になります.

      今後はJARLの手を煩わせずに負荷を軽減.
      なお,

      • 『JARL以外の記念局』の開設者の直接のデメリットとしては,QSL転送料 10,800円/年 が発生します.
        (換言すれば,連盟にとってはマネタイズになります.)
      • 「それはいやだ,どうしても JARL の局にしたい」という場合には,中央局・地方局(RL局)を公開運用していただく道があります.

    1. 『ARISSスクールコンタクトの臨時局』のQSLカード「発送だけ無料」の制度廃止

      ARISSスクールコンタクトの臨時局からの,QSLカードの「発送は無料」のルールを,もう廃止します.
      ビューローの負荷の軽減,または,有料での双方向転送化による収入増を図ります.

      ARISSスクールコンタクトもすでに 12年間・70例 を超え,もはや十分認知されたでしょう.
      現在,臨時局によるPR運用については,QSLカードのビューロー経由での「発送のみ無料」の施策があてがわれています.
      しかし,この条件では,また現状を鑑みるに,以下の状況に陥っているのではないでしょうか:

      × 生徒・児童さんへの教育的効果
      ○ PTAがパイルアップを楽しむ場

      「JARLからのARISSスクールコンタクトへの支援策」としては,ほかにやれることがあるでしょう.

      【参考】ARISSスクールコンタクトで開設されたアマチュア無線局のQSLカード転送について
      http://www.jarl.org/Japanese/5_Nyukai/qsl_ariss.htm

    2. 『補助局』(サフィックスが原則 YRL の局)の制度廃止

      RL局(中央局・地方局)へ一本化して巻き取ります.
      これによって,「機材」そのものや,「免許手続き」のコスト削減をねらいます.
      希望があれば地方本部へ払い下げます.

      JARLの『補助局』を配備・維持する必要性は薄れてきているはずです.

      • JARLとして自ら局を持たずとも,運用の機会は増えています:
        • 1997年〜 ゲストオペ制度
        • 2011年〜 非常時における,社団局での「免許人の立ち会いなしでのゲストオペ」制度

      • アマチュアの人口(局数)・JARL の会員数も減っています.
        最後に信越の『補助局』JR0ZAXが整備されたのは2001年度でした
        すでに減少トレンドに入っていたその時点と比べても,局数で54%・JARL会員数で64%にまで低下しています:

          局数 JARL会員数
        『補助局』の整備が終わったころ 805,279局 (2002年3月末) 106,538会員 (2001年9月7日)
        いま 436,282局 (2013年11月末)   67,721会員 (2013年12月7日)


      • 「免許状の携帯」に代わり,「証票の備え付け」で許されるようになりました.
        したがいRL局(中央局・地方局)に統合・一本化した後も,リグごとの分離運用は不可能ではありません.

      • 支部として独自に社団局を有する例も見られます:
        三重 JJ2YJC, 京都 JE3ZPZ, 和歌山 JH3YCD, 富山 JH9YAA.



  2. 一方で,会員の福利の向上

    1. 社団局の会費の値下げ

      個人局に比べて割高な会費を値下げします.
      「社団局はQSLカードの発送枚数が多い」は,いまとなっては幻想でしょう.

      現在の会費の差はつぎのとおりです:

      • 正員(個人会員)… 7,200円/年
      • 社団会員 ………… 10,800円/年

      長年,「社団局はQSLカードの発送枚数が多いから」という根拠――と理解しています――で,割高な会費を求められていました.
      たしかに,30年前であれば,そのとおりだったでしょう.
      しかし,いまはその前提が崩れているのではないでしょうか.
      「社団局は失効があいつぎ」「オンエアも――とくにコンテストで――してこない」という状況です.
      一方,到着するQSLカードの状況を鑑みますと,むしろ個人会員の一部のほうが,社団局よりも多くのQSLカードを発送しているはずです.

      また,学校等の社団局・青少年を対象とした「助成金」の制度も,改善が望ましいです.
      「助成金」扱いではなく,「そもそもの会費のメニュー」として設定し直すことで,制度を分かりやすくします.

    2. IT投資の拡充

      支部活動などに不自由しないWebの容量の割当を.
      jarl.comが始まった当初に比べ,ストレージのコストは1/100に下がっています.

      支部のWebで,以下のような例が散見されます:

      • (容量不足や,編集のしやすさから)リンク先の別サイトで運営
      • “支部長が替わるので,このWebはなくなります”

      このような状況から脱するため,jarl.comに十分な容量を確保し,各支部に提供します.
      これは同時に,以下の意味も持ちます:

      • 保存すべき情報の散逸防止
        アーカイバとしての活用です.
        JARLの設立は1926年.
        90周年(2016年),100周年(2026年)も近づいてきています.
        まとめが必要になった際,過去の活動を振り返りやすくします.

      • 事務局の作業を「リンク」主体とし,Webの運用負荷を軽減
        jarl.orgも,運用負荷をもっと下げられるはずです.
        支部から寄せられた原稿を「整形・再入力」するのではなく,「支部Webへのリンク」だけですませられるようになれば.

    3. QSLカードのスキャンデータによる保管の許容

      アワード規程で,QSLカードのスキャンによるデータでの保管も認めるよう求めます.

      現代の「デジタル化技術の発達」を活かし,以下に対応します.

      • 保管スペースの削減 ………… 集合住宅などの「狭小な住環境の一般化」に対応
      • QSLカードのバックアップ …… デジタルデータを複製し,遠隔地で保管

      【参考】『アワード規程』5条3項:

      JARLは、アワード発行の審査に必要なときは、第1項の定めにかかわらず、申請者から申請に用いるQSLカードの提出を求めることができる。

      「電子QSL化」「電子ログ照合」(QSObank・LoTWのような)は,このつぎのステップとして検証します.
      まずは,いまのQSLビューローが,JARLにとっての「コスト」なのか「収益源」なのかを見極める必要があると考えます.


  3. その他

    1. “スパムQSL”の削減

      コンテストで会うたびに毎度「PSE QSL」で要求するのを,控える文化に.

      ご参照ください:

      そもそも,これだけアマチュアが減ってきているのに,「転送枚数100万枚/月」が一向に下がらないのは,何かがおかしいですよね.
      「送るほうも/転送するほうも/受け取るほうも」みなが嬉しくない,“スパムQSL”を削減します.
      会員のみなさんや,場合によってはコンテスト委員会の協力が必要です.
      これによって,本来は不要なはずの経費の支出を抑えます.

    2. 会員からの意見提案方法の改善

      まずは「仕組み」として,意見を取り込みやすい環境に.

      たとえば東京都支部の場合,支部会員からの意見は,図ようなのサイクルで吸い上げられ〜ご判断いただくこととなっています:

      • 提案 …… 「会員 → 登録クラブ代表者会議 → 支部役員」
      • 返答 …… 「支部役員 → 支部大会 → 会員」

      しかしこれですと,以下の課題をはらんでいると考えます:

      • 登録クラブ加入メンバ「以外」からの意見の提案が困難
        (各登録クラブ殿による支部活動への多大なご貢献は,認識していますが)
      • サイクルが年に1回しか回らない
        “ドッグイヤー”という言葉すら聞かれなくなった現在において,あまりにもスロー

      会員からの意見具申が容易にでき,審議が迅速に回るような改善策の導入をめざします.
      たとえば,このサイクルを‘逆’に回すだけで,一点目の問題は解消されます.

      もって,「社員制度になってJARLが遠くなった」「登録クラブのメンバ以外に排他的」――といった課題の解決を目指します.

    3. 将来の「会員数の減少」に立脚した経営

      四アマ合格者は13,350名/年(2012年度).
      「入りがこれしかない」という前提に立脚します.将来にわたる連盟の健全な経営を目指します.

      いま,アマチュアの局数は減少傾向を脱し,46万局程度で一進一退しています.
      しかしその中身を検証すると,「新規開局数+再開局数=失効数 で均衡している」――という状況です.
      “再開局者依存”という危うい状態なのです:

      四アマの取得者数は,下図のとおり,ピーク時の8%程度しかありません:

      「局数が下げ止まったから」という油断は禁物です.引き続き危機感を持った連盟の経営を求めます.

    4. 連盟の事務運営のほころび解消

      散見される以下のような“ほころび”に目を配ります:

      • 『IARU HFワールドチャンピオンシップコンテスト』における,連盟本部局の選定・発表遅れ
        例: 2013年は本番前に受け持ちバンド・モードの発表なし.
      • Web(jarl.org)のタイムリーな改版遅れ
        例: 開局前に載らない記念局情報.2013年の8J8RALLYに至っては,運用終了後に掲載.

  4. 当局への要望

    総務省を相手とした交渉になりますから難易度は増しますが,以下のような事項の実現にむけ動向を注視します.

    1. WRC-2015での5MHz帯の分配

      WRC-2012での日本代表団の反応は否定的でした.懐柔策が必要です.

      一方,FCCはすでに5MHz帯の分配案を出しています:
      http://transition.fcc.gov/Daily_Releases/Daily_Business/2014/db0128/DA-14-88A2.pdf
      のpp.41-42(5275-5450kHz,二次分配).

    2. 旧スプリアス規格機の扱い

      最低でも,正直者が馬鹿を見る制度運用,すなわち――

      「免許を受けていない不法局」 は 「野放し」 で,
      「免許を受けているアマチュア」 が 「制約を受ける」

      ――は,回避されるべきです.

    3. 免許手続きの簡素化

      すでに議論されている範囲――技適機の場合,緩和――の他にも必要です.
      「既製品の技適機」に「既製品のコンピュータ」を繋いだだけでも,変更の手続きが発生します.
      電子申請で,「バンドごと全モードの手入力」が求められるのです.
      デジタル通信時代に則した制度の改善を求めます.

    4. レピータ間の補助中継回線の許容

      430MHzレピータの補助中継回線に適する,1200MHz帯の自由度は下がってしまいました.
      しかし,この制度自体はいずれ確立すべきです.
      いまは制度上,「D-STARのアシスト局」と「29MHz帯レピータの送受信点間リンク」しか認められていません.




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Ryota "Roy" Motobayashi, JJ1WTL / AC6IM, Feb. 7, 2014 <jj1wtl@jarl.com>