ぜんぶ読まなくて十分ですので,ぜひこれだけは覚えてください:
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詳細が必要な方は以下をご参照ください.
まず,「特別なコールサインをもつアマチュア局」について全貌をまとめますと,以下のとおりとなります.
開設の位置づけで,つぎの二つに大別できるでしょう:
・臨時
・特別な場所
8J・8N局 │ ├臨時に開設されたアマチュア局 ││ │├“記念局”: ││行事等の開催に伴い,臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局 │││ ││├『JARL』によるもの ││││ │││└記念局 │││ │ │││ ├特別局 │││ │ │││ └特別記念局 │││ ├(毎年通例) │││ └(理事会承認) │││ ││└『アマチュア業務の健全な普及発展を図ることを目的とする社団であって、 ││ 行事等に密接な関係があるもの』によるもの ││ │├“臨時局”: ││国際宇宙基地に開設されたアマチュア局と通信を行うために臨時に開設するアマチュア局 ││ │└震災後の救援活動 │ └特別な場所に開設されたアマチュア局 │ ├南極 │├個人局 │└JARL南極局 │ ├北極 │ └宇宙 └アマチュア衛星
以下に順を追って説明します.
注.なお,「8J・8N以外」として,以下の例もありました:
- 7J1RL 沖ノ鳥島
- 8M2000 西暦2000年
- 8M1C ワールドカップ(横浜)
この規定は,総務省の『電波法関係審査基準』の,「別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 21項」にあります.
これに従った局を,本サイトでは短く “記念局” と呼ぶことにします.
呼称については紛らわしい面があるので,以下に正しい表現法をまとめます.
『特別局』と『特別記念局』とをあわせた総称です:
├記念局 │├特別局 │└特別記念局 │ ├公開運用(記念運用) 【参考】 │ ├特別記念用呼出符号 【参考,実施されず】 │ └特別記念運用 【参考】つまり,「記念局 = 特別局 + 特別記念局」 と覚えてください.
以下の三つの大きなイベントは,自動的に毎年開設できることになっています.
理事会での審議は不要です.
したがい,理事会報告には含まれません.
過去に使われたコールサインは下表のとおりです:
コールサイン | 年 | 会場 |
---|---|---|
8J1HAM | 1977~1995 | 東京国際見本市会場 |
1996~1998 | ビッグサイト | |
1999~2001 | パシフィコ横浜 | |
2016~ | ビッグサイト | |
8N1HAM | 2002~2003 | ビッグサイト |
8J1A | 2004~2014 |
本規定の実運用としては,2003年の8J4ITU・8J7ITUが最後でした.
年 | JARL | ITU-AJ(日本ITU協会) |
---|---|---|
2001 | 8J6ITU・8J9ITU・8J0ITU | ― |
2002 | 8J2ITU・8J5ITU・8J8ITU | 8J1ITU |
2003 | 8J4ITU・8J7ITU | 8J1ITU |
2004 | ― | 8J1ITU |
かつては,JARLが例年,各エリアの持ち回りで開設していました.
その後,旧『日本ITU協会アマチュア無線クラブ』*による8J1ITUに,オーバラップしつつ切り替わり,現在は,そちらに“おまかせ”の格好です.
すなわち,2002年以降の8J1ITUは,JARLの記念局ではありません.
なお,今は正しくは,ITUでは『世界情報社会・電気通信日』と称しています.
コンテストステーションですが,扱いとしては『特別記念局』に含まれます.
過去に使われたコールサインは下表のとおりです:
コールサイン | 年 | 備考 |
---|---|---|
JA3RL | 1986~1993 | 参考 |
8J3XHQ | 1994~1997 | |
8J3JHQ | 1998~2001 | |
8N3JHQ,8N2JHQ | 2002~2003 | |
8N#HQ | 2004~ |
特別記念局の開設の申し出は,予算措置が伴うこともあり,前年度の1月まで.
そして2月の最終土日に催されるJARLの理事会で,審議・決定されます.
ここで認められたものが,「理事会報告」の中で紹介されます.
しかしそこには,「毎年通例」のもの(前項)は含まれていません.
誤り | 正しくは... |
---|---|
「特別/記念局」や
「特別局・記念局」といった表記. |
「特別/特別記念局」とか
「特別局・特別記念局」とか,いっそ, 「記念局」とだけ書けば,正しくなります. |
全体を意図して,
「特別局」または 「特別記念局」と称すること. |
「記念局」と書けば,正しくなります. |
以下の理解:
「(特別)記念局」…機材を揃えて新規に開設した局, 「特別局」…既存の社団局のコールサインを一時的に変更して開設した局. |
そのような区分は存在しません. |
JA#RL・JA#YRLなど*を,
「記念局」「特別局」「特別記念局」と称すること. |
「公開運用」と呼びます.百歩譲っても「記念運用」です.後出. |
JARLではJA#RL・JA#YRLなどの局を有しています.
これらの局を,イベントに併せて運用することを “公開運用” といいます.
たとえば,以下のような運用が恒例・好例です:
・呉みなと祭の JA4RL
・柳川ソーラーボート大会の JA6RL
たまに“記念運用”と呼ばれることもあります.
しかし,JARLの行事カレンダーでは“公開運用”との表現ですので,ここでも“公開運用”を正規のものとします.
べつに「青空の下にテントを張って大衆の面前で...」というような,いかにも“公開運用”的な形態が必須とは限りません.
どのような形でも,“公開運用”と呼びます.
JA#RL・JA#YRLなどに対して『記念局』と言ってはいけません(次項).
(注.ただし過去においては,コールサインがJA#RL形式の記念局もありました.
末期の例としては以下のとおりです:)
- 1992年 JA2RL JARL三重総会
- 1994年 JA9RL 全国生涯学習フェスティバル
JA#RL・JA#YRLなどの局のことを掲題のように呼びます.
これらの呼び方は,JARLの『連盟が開設するアマチュア局(レピータ局及びアシスト局並びにリモコン局を除く。)に関する規定』の中で,明確に定義されています.
ですので,これ以外の我流の呼び方はしないようにしましょう.
中央局 | 地方局 | 補助局 | 【参考】その他 |
---|---|---|---|
JA1RL | JA1YRL | JA1YAA (資料室) JD1YAB (小笠原復帰50周年) JS1YBT (埼玉県支部) JE1ZRL (山梨県支部) | |
JA2RL | JA2YRL | JJ2YJC (三重県支部) | |
JA3RL | JA3YRL | JE3ZPZ (京都府支部) JH3YCD (和歌山県支部) | |
JA4RL | JH4YRL | ||
JA5RL | JA5YRL | JA5ZRN (愛媛県支部) | |
JA6RL | JH6ZRL | ||
JA7RL | JA7YRL | ||
JA8RL | JH8ZRL | ||
JA9RL | JA9YRL | JH9YAA (富山県支部) | |
JA0RL | JR0ZAX | ||
JR6RL |
よく目にする我流の表現です.やめましょう.
正しい表現は,前項のとおりです.
これも誤りです.
「補助局(JA#YRLなど)」のことを「支部局」と表現しているWeb作者のOMや,クラスタにスポットしているOMがいらっしゃいます.
しかし,そのような局は存在しません.
「たまたま,地方本部の『補助局』が,とある支部のイベントに出掛けて行って,運用されているだけ」です.
そもそも,JA#YRLなどは地方本部全体のものであって,どこか特定の支部が占有しているわけではありませんよね.
ただし,一部の支部では,支部として独自の社団局を有しています:
各アマチュア局が,プリフィックスの一部を変更した呼出符号で運用することです.
2002年のFIFAワールドカップに際してJARLから総務省に要望されましたが,実現されませんでした.
プリフィックスに1文字を加える方法が考えられていました.
[#447 JARL理事会報告から]
「スペシャルオリンピックス冬季世界大会」の記念で試みられました.
「SO公式アマチュア無線局」として,賛同する各局が,自己のコールサインに「/SO2005」を付して運用することです.
「SO特別記念局運営委員会事務局」(JF0JYR)へ事前登録が必要でした.
運用期間は,2004年7月11日(日)~2005年3月5日(土).
賛同者は200名あまり.
この活動は長野県支部によるもので,信越総通が了承しています.
リンク切れ:
http://jarl-nn.asama.net/gyouji/so/so.html
そもそも「何かを記念した,特別局」のことで,もちろん『特別局』に含まれます.
たとえば,
『福岡市民の祭り(博多どんたくみなと祭り)記念特別局』
などの例があります.
『記念局』『特別局』『特別記念局』のいずれかを意図して『記念特別局』と称するのは,いずれについても誤りです.
かつて見られた表現です.
JARLでは1981年までは「記念特設局」と称していました(8J1HAM).
ボーイスカウト関連の記念局(後出)では,いまでも「特設局」と称しています.
JARL以外の社団でも,記念局の開設はできます.
「JARLでなければいけない」という決まりは,もとからありません.
本サイトでは,それらの社団およびその記念局を,以下のように呼ぶことにします:
・JARLの枠外
・JARL以外の社団
・non-JARL
とくに2002年度から目立つようになり,以降,増加傾向です.
【参考】
◎JARL以外での記念局の開設方法
http://www.ji5rpt.com/column/nonjarl.html
◎記念局ってこれでいいの
http://blog.goo.ne.jp/jr3qhq/e/c2f0dd084ea441ad154d61d5c0999f46
◎記念局申請手続き
http://ja1dxq.blogspot.com/2009_04_01_archive.html
さて,それらの社団が開設する記念局については,いかように表現しようとも,その社団の自由です.
たとえばボーイスカウト連盟では,『特設局』との表現を用いています.
本サイトでは,JARL以外による場合も含め,全体の総称を“記念局”と呼ぶことにします.
この規定は,総務省の『電波法関係審査基準』の,「別紙1 無線局の局種別審査基準 第15 アマチュア局 22項」にあります.
これに従った局――『臨時局』――は,『記念局』とは別枠であって,『記念局』には含まれません.
『記念局』と同格の,別のカテゴリの局なのです.
しかしながら,ARISSスクールコンタクトの前後に,広報目的で,中短波帯を含めて運用をする局もあります.
こういった場合,一見は,記念局と区別ないようにみえます(が,別カテゴリの局です).
無線従事者免許を持たない小中学生に,国際宇宙ステーションとの交信機会(マイク操作)を与えるべく,2002年に制度化されました:
『平成14年3月22日総務省告示第154号
電波法施行規則第三十四条の十の規定に基づく臨時に開設するアマチュア局の無線設備の操作を行う場合の条件』
http://www.tele.soumu.go.jp/horei/reiki_honbun/a72aa33001.html
「特別な局」であることが判別できるよう,これらの局には特別なコールサインが割り当てられます.
「特別なコールサインを持った社団局」と理解すればいいでしょう.
『ARISSスクールコンタクト運用委員会(ARISSプロジェクト(www.ariss.jp))』で使われている表現です.
本サイトもこれに合わせ,“臨時局”と呼ぶことにします.
JARLによる表現です.
とはいえJARLが開設する局ではありません.
以下のとおりです:
■電波法第39条の3(アマチュア無線局の無線設備の操作)
アマチュア無線局の無線設備の操作は、次条の定めるところにより、無線従事者でなければ行つてはならない。 ただし、外国において同条第1項第5号に掲げる資格に相当する資格として総務省令で定めるものを有する者が総務省令で定めるところによりアマチュア無線局の無線設備の操作を行うとき、 その他総務省令で定める場合は、この限りでない。 ↓ ■電波法施行規則第34条の10(アマチュア無線局の無線設備の操作の特例) 法第三十九条の三ただし書の総務省で定める場合は、 臨時に開設するアマチュア局の無線設備の操作をその操作ができる資格を有する無線従事者の指揮の下に行う場合であつて、 総務大臣が別に告示する条件に適合するときとする。 ↓ ■平成14年3月22日 総務省告示第154号(H19告示702で改正) 国際宇宙基地に開設されたアマチュア局と通信を行うことによって科学技術に対する理解と関心を深めることを目的として社団が臨時に開設するアマチュア局(アメリカ航空宇宙局が承認した組織により当該通信に係る日時等が割り当てられており、 当該通信を行うことに関して教育に資するものとして教育委員会等の後援、推薦等を受けている場合に限る。)の無線設備の操作を、 次に掲げる条件により学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号) 一 当該アマチュア局に選任されている無線従事者である第一級総合無線通信士、第二級総合無線通信士、第三級総合無線通信士、第一級アマチュア無線技士又は第二級アマチュア無線技士の立会いの下で行う無線電話の操作(連絡の設定及び終了に関しない通信操作並びにこれに付随して行うプレストーク方式による送受の切替えに限る。)であること。 二 当該操作に立ち会う無線従事者が行うことができる無線設備の操作の範囲内であること。 ■平成14年3月22日 総務省訓令第30号 電波法関係審査基準(平成13年総務省訓令第67号)の一部を改正する訓令 臨時に開設するアマチュア局の無線設備の操作を行う場合の条件を定める件 (別掲) |
『国内イベント』のページに置きます.
『「臨時に開設するアマチュア局の無線設備の操作を行う場合の条件を定める件」等に対する意見募集
- 国際宇宙ステーションのアマチュア局と通信を行う場合の特例 -』
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/235321/www.soumu.go.jp/s-news/2002/020117_1.html
『アマチュア無線で小中学生に科学技術への興味を
-「臨時に開設するアマチュア局の無線設備の操作を行う場合の条件を定める件」等に対する意見募集の結果(国際宇宙ステーションのアマチュア局と通信を行う場合の特例)-』
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/235321/www.soumu.go.jp/s-news/2002/020314_1.html
二例ありました.
まだ社団局の制度がなかった時分,3次隊以降の個人に対して,特別なコールサイン8J1AA~8J1ADが与えられていました.
アルゼンチンの基地からの運用を目指した個人に,(前項とは別の)8J1ABが与えられていました.
いまは8J1RL, 8J1RFがありますが,記念局ではありません.
「特別なコールサインを持った社団局」と理解していただければいいでしょう.
コールサイン | QTH | 備考 |
---|---|---|
8J1RF | ドームふじ基地(元 観測拠点) | |
8J1RL | 昭和基地 | |
8J1RM | みずほ基地(元 前進基地~観測拠点) | 1986年QRT |
あすか観測拠点 | 1991年QRT |
唯一,日本大学の探検隊に対して8J1NPが与えられたことがあります.
アマチュア衛星それ自身にもコールサインが必要なことは,なんとなくお判りいただけるでしょう.
いまは8J1JCSが飛んでいますが,記念局ではありません.
コールサイン | OSCAR# | 愛称 | 開発# | 備考 |
---|---|---|---|---|
8J1JAS | FO-12 | ふじ1号 | JAS-1 | 1989年QRT |
8J1JBS | FO-20 | ふじ2号 | JAS-1b | 2008年QRT |
8J1JCS | FO-29 | ふじ3号 | JAS-2 | |
8J1RSP | RSP-00 | 信号返らず,予備免許状態 |
また,以下を混同しないようにしましょう:
その後.
CubeSatなどには,通常の社団局むけのコールサインブロックから割り当てられるようになりました.
2018年,22年ぶりの「衛星の8J局」として,8J1RSPが免許されようとしていました.しかし,予備免許止まりの不発に終わりそうです.